2010年11月23日
親として
あなたに4歳の息子がいたとします。
まだ二輪車には乗れず、補助輪を付けて伊平屋島にやって来ました。
伊平屋港から野甫島の民宿までは南下して直行なら7km。
北上して反時計回りだと24km。
あなたなら、どちらのコースを選択しますか?
11月21日(日)8:45
車に私・妻・RYOの自転車とNATSUKIのトレーラーを積み込み運天港へ出発。
天気に恵まれてフェリーに乗る頃はハイテンション。
予想より波があり家族全員船酔いでグロッキーな状態で伊平屋入りしたのが12:30。
なんとか体調も戻り、いざスタート!!!
で冒頭の質問。
どちらのコースを行くか。4歳児の体力を考えると補助輪付きで7kmでも相当な距離だと思う私に対して、妻は「いざとなれば、民宿の人に車で迎えに来てもらえばいいから、北上の24kmコースに。」と言い張る。
最北端あたりでギブアップだろうと思いつつも、まぁせっかくだし、行ける所まで行ってみようと北上のコースを選択した我家。
意気揚々とスタートだ。
スタートしてすぐにお弁当を調達し、5km地点の念頭平松で遅めの昼食。
道路脇に座ってお弁当を広げているんだけど、この間通った車は2台のみ。なんとも。
さらに北上を続けると道路にデカいバッタが!!!
こりゃ、バッタ大好きRYOはもう興奮だ!!!
しかしデカい。なんて種類だ?
さらに道を進むと、なんだかダイナミックな風景が見えてきた。
小さな島なのに、風景が大きくてなんだか不思議かつとても心地良い感覚に捉われる。
視界が開けた先には。
クマヤ海岸だ。
その左にはクマヤ洞窟への階段。
洞窟の中から重箱を持ったオバサン達が出てきた!
奥にウガンジュがあるらしく、わざわざ泡瀬から来たんだとか。
さて、綺麗な海岸でいつかキャンプをしようと話しながら目指すは最北端。
もう目の前だ。
が、そこは登り。
「伊平屋」と平らという字があるが、坂もある。
さすがにRYOにはキツく、自転車を押して頑張って登っている。
この坂を登りきると北の折り返し地点。8.1km。
結構進んで来たな。
これからが長い。
最北端から伊平屋島の最南端まで行ってさらに橋を渡り宿のある野甫島まで行かなければならない。
RYOはどこまで頑張れるのか…
島の西海岸は何も無い。
人工物は道路と電信柱のみ。
自動販売機も無い。
一台も。
しかし、景色は最高なんだ。海が綺麗なのは当たり前だけど、沖縄本島の熱帯雨林的な風景と違って、なんともサッパリとした風景で潮風が異様に心地良い。
この島がムーンライト・マラソンの舞台であることに納得と同感。
そろそろ疲れてくる頃かと思っていたが、道の至る所にRYOが興奮するモノが落ちている。
これのお陰でRYOのテンションが上がる上がる↑↑
牛のウンチ(笑)
ウンチとかシッコとか、チンチンとが面白くて堪らない年頃だけに、牛のウンチを見つけては喜び踏まないように走る事で喜び、道中を楽しむ気持ちが途切れない。
ウンチ様々です。
緩い登り下りを順調に進んで行くがもうすでに10kmをとうに越えている。
そんな時、下りでコケた。
今日初めて泣いた。
ここまで泣き言を言わなかった事が凄い。
そろそろか…
もう断念か…
と思った…
が、RYOはまた自転車に跨った。
何事も無かったかの様に私の側を笑顔で、そして得意げに追い越して行った。
我が息子ながら大したもんだ。
さぁ、先へ進もう!!!
こりゃ、もしかしたらゴールの民宿まで24km走りきる事が出来るかもしれないぞ!!!
でもさすがに疲れてきたのか、「トレーラーに乗りたいなぁ。」と言うものの、「次に休みに乗せるよねぇ(笑)」と、軽くあしらう。
すると頑張ってペダルを踏む。
強くなった。
スタートした頃は補助輪任せに走ってきたが、妻が「補助輪をガラガラさせないゲーム!」と言い、RYOにバランスを取って走ることを始めさせた。
これが上手いこと出来るんだ!!!
今まではなんだったんだ?ってくらい頑張ってバランスを取って二輪で走っている。
もう誉めて誉めて誉めまくって、走る走る。
心から自転車が楽しいって思っているのが表情から一目で分かる。
そんなRYOを見ている私達も楽しいし、嬉しいし涙が出てきそう。
ここへ来て良かった。
このコースを選んで良かった。
道中、喧嘩もしてた。でも大好きだな。
途中、牛舎で牛を見たり、休憩でチョコを頬張ったりして楽しく走ってきたが、時間が…
日が暮れて来たのだ。
この時点で16kmほど。残り8kmもある…
ここは外灯は皆無。
そして自転車のライトも付けてない…まさか4歳児を連れて日暮れまで走る事になろうとは想像もしていない。
迎えを頼もうか。
しかし、ここまで弱音も吐かずに頑張ってきたRYOを最後まで自分の力で走らせてあげたい。
行くしかないだろ。
先を急ごう!!
ところが、それまでトレーラーの中で唄を歌ったり、お昼寝してたりと本当にお利口さんにしていたNATSUKIが起きてきて「おしゃんぽぉしゅるぅ!」(お散歩する!)と。(苦笑)
確かに退屈だったろうな。
仕方ない、RYOと妻を先に行かせて一緒に歩こう。
私も自転車を降りて、NATSUKIの側を歩きながら、すすきを取ってあげ、唄を唄いながら、お話しながら暫し歩く。
またトレーラーに乗ってくれたNATSUKIと前を行く二人を追いかけるが、大して進んでない(苦笑)
あたりが薄暗くなってきたかと思うと、月が顔を出してきた。
満月だった。
ムーンライトだ。
写真では小さな月だけど、肉眼ではとても大きく、明るく、見事な月が山から顔を見せてくれた。
悪くない。
ここからは月の明かりで進もう。
でもRYOが心配だ。こんな暗い中で自転車に乗った事は当然無い。
そんな心配は必要なかった。
実に楽しそうに走っている。
そして21km地点(18:10)とうとう野甫島の明かりが見えてきた!!!
なんと嬉しいことか。
この4歳児、20km以上も走って来たよ!
港から宿に直行しようと考えていた自分を恥ずかしく思った。
子供の可能性を伸ばしてあげるべき親が、限界を決めてしまいそうだった…
ラスト1.5km。最後の橋に差し掛かった。
そこで、なんとRYOはアタックしたよ!!!
橋の登りをグイグイと力強くペダルを踏んでいく!!!
何なんだ!!!
小さな体のどこから、この力が出てくるんだ!?
もちろん数十mで力尽きるけど、その時に彼は凄い一言を。
「自転車楽しいね!!」って満面の笑みで。
もうこの記事を書きながら泣けてきた(笑)
凄いよ。本当に凄いよ。
4歳児が自転車で24kmだよ。
RYOの限界は、無意味な固定観念でツマラナイ大人になってしまった私が決める事では無かった。
これからRYOは
「限界」なんて言葉は知らなくていい。
「可能性」だけ知っていれば、それでいい。
そして、親は「可能性」を信じてあげればそれでいい。
2010年11月21日(日)18:35
RYO、伊平屋島で24kmを走り無事、宿へ着いた。
続く。
まだ二輪車には乗れず、補助輪を付けて伊平屋島にやって来ました。
伊平屋港から野甫島の民宿までは南下して直行なら7km。
北上して反時計回りだと24km。
あなたなら、どちらのコースを選択しますか?
11月21日(日)8:45
車に私・妻・RYOの自転車とNATSUKIのトレーラーを積み込み運天港へ出発。
天気に恵まれてフェリーに乗る頃はハイテンション。
予想より波があり家族全員船酔いでグロッキーな状態で伊平屋入りしたのが12:30。
なんとか体調も戻り、いざスタート!!!
で冒頭の質問。
どちらのコースを行くか。4歳児の体力を考えると補助輪付きで7kmでも相当な距離だと思う私に対して、妻は「いざとなれば、民宿の人に車で迎えに来てもらえばいいから、北上の24kmコースに。」と言い張る。
最北端あたりでギブアップだろうと思いつつも、まぁせっかくだし、行ける所まで行ってみようと北上のコースを選択した我家。
意気揚々とスタートだ。
スタートしてすぐにお弁当を調達し、5km地点の念頭平松で遅めの昼食。
道路脇に座ってお弁当を広げているんだけど、この間通った車は2台のみ。なんとも。
さらに北上を続けると道路にデカいバッタが!!!
こりゃ、バッタ大好きRYOはもう興奮だ!!!
しかしデカい。なんて種類だ?
さらに道を進むと、なんだかダイナミックな風景が見えてきた。
小さな島なのに、風景が大きくてなんだか不思議かつとても心地良い感覚に捉われる。
視界が開けた先には。
クマヤ海岸だ。
その左にはクマヤ洞窟への階段。
洞窟の中から重箱を持ったオバサン達が出てきた!
奥にウガンジュがあるらしく、わざわざ泡瀬から来たんだとか。
さて、綺麗な海岸でいつかキャンプをしようと話しながら目指すは最北端。
もう目の前だ。
が、そこは登り。
「伊平屋」と平らという字があるが、坂もある。
さすがにRYOにはキツく、自転車を押して頑張って登っている。
この坂を登りきると北の折り返し地点。8.1km。
結構進んで来たな。
これからが長い。
最北端から伊平屋島の最南端まで行ってさらに橋を渡り宿のある野甫島まで行かなければならない。
RYOはどこまで頑張れるのか…
島の西海岸は何も無い。
人工物は道路と電信柱のみ。
自動販売機も無い。
一台も。
しかし、景色は最高なんだ。海が綺麗なのは当たり前だけど、沖縄本島の熱帯雨林的な風景と違って、なんともサッパリとした風景で潮風が異様に心地良い。
この島がムーンライト・マラソンの舞台であることに納得と同感。
そろそろ疲れてくる頃かと思っていたが、道の至る所にRYOが興奮するモノが落ちている。
これのお陰でRYOのテンションが上がる上がる↑↑
牛のウンチ(笑)
ウンチとかシッコとか、チンチンとが面白くて堪らない年頃だけに、牛のウンチを見つけては喜び踏まないように走る事で喜び、道中を楽しむ気持ちが途切れない。
ウンチ様々です。
緩い登り下りを順調に進んで行くがもうすでに10kmをとうに越えている。
そんな時、下りでコケた。
今日初めて泣いた。
ここまで泣き言を言わなかった事が凄い。
そろそろか…
もう断念か…
と思った…
が、RYOはまた自転車に跨った。
何事も無かったかの様に私の側を笑顔で、そして得意げに追い越して行った。
我が息子ながら大したもんだ。
さぁ、先へ進もう!!!
こりゃ、もしかしたらゴールの民宿まで24km走りきる事が出来るかもしれないぞ!!!
でもさすがに疲れてきたのか、「トレーラーに乗りたいなぁ。」と言うものの、「次に休みに乗せるよねぇ(笑)」と、軽くあしらう。
すると頑張ってペダルを踏む。
強くなった。
スタートした頃は補助輪任せに走ってきたが、妻が「補助輪をガラガラさせないゲーム!」と言い、RYOにバランスを取って走ることを始めさせた。
これが上手いこと出来るんだ!!!
今まではなんだったんだ?ってくらい頑張ってバランスを取って二輪で走っている。
もう誉めて誉めて誉めまくって、走る走る。
心から自転車が楽しいって思っているのが表情から一目で分かる。
そんなRYOを見ている私達も楽しいし、嬉しいし涙が出てきそう。
ここへ来て良かった。
このコースを選んで良かった。
道中、喧嘩もしてた。でも大好きだな。
途中、牛舎で牛を見たり、休憩でチョコを頬張ったりして楽しく走ってきたが、時間が…
日が暮れて来たのだ。
この時点で16kmほど。残り8kmもある…
ここは外灯は皆無。
そして自転車のライトも付けてない…まさか4歳児を連れて日暮れまで走る事になろうとは想像もしていない。
迎えを頼もうか。
しかし、ここまで弱音も吐かずに頑張ってきたRYOを最後まで自分の力で走らせてあげたい。
行くしかないだろ。
先を急ごう!!
ところが、それまでトレーラーの中で唄を歌ったり、お昼寝してたりと本当にお利口さんにしていたNATSUKIが起きてきて「おしゃんぽぉしゅるぅ!」(お散歩する!)と。(苦笑)
確かに退屈だったろうな。
仕方ない、RYOと妻を先に行かせて一緒に歩こう。
私も自転車を降りて、NATSUKIの側を歩きながら、すすきを取ってあげ、唄を唄いながら、お話しながら暫し歩く。
またトレーラーに乗ってくれたNATSUKIと前を行く二人を追いかけるが、大して進んでない(苦笑)
あたりが薄暗くなってきたかと思うと、月が顔を出してきた。
満月だった。
ムーンライトだ。
写真では小さな月だけど、肉眼ではとても大きく、明るく、見事な月が山から顔を見せてくれた。
悪くない。
ここからは月の明かりで進もう。
でもRYOが心配だ。こんな暗い中で自転車に乗った事は当然無い。
そんな心配は必要なかった。
実に楽しそうに走っている。
そして21km地点(18:10)とうとう野甫島の明かりが見えてきた!!!
なんと嬉しいことか。
この4歳児、20km以上も走って来たよ!
港から宿に直行しようと考えていた自分を恥ずかしく思った。
子供の可能性を伸ばしてあげるべき親が、限界を決めてしまいそうだった…
ラスト1.5km。最後の橋に差し掛かった。
そこで、なんとRYOはアタックしたよ!!!
橋の登りをグイグイと力強くペダルを踏んでいく!!!
何なんだ!!!
小さな体のどこから、この力が出てくるんだ!?
もちろん数十mで力尽きるけど、その時に彼は凄い一言を。
「自転車楽しいね!!」って満面の笑みで。
もうこの記事を書きながら泣けてきた(笑)
凄いよ。本当に凄いよ。
4歳児が自転車で24kmだよ。
RYOの限界は、無意味な固定観念でツマラナイ大人になってしまった私が決める事では無かった。
これからRYOは
「限界」なんて言葉は知らなくていい。
「可能性」だけ知っていれば、それでいい。
そして、親は「可能性」を信じてあげればそれでいい。
2010年11月21日(日)18:35
RYO、伊平屋島で24kmを走り無事、宿へ着いた。
続く。
Posted by ホットスカル at 22:54│Comments(8)
│家族
この記事へのコメント
すごーい!
私も絶対に無理と思っていたよ!
子供ってすごいねぇ。
そして、子供の可能性を伸ばしてあげることって実にむずかしいなぁ。
やっぱり、自然にいる時間は子供が大きく成長するかもね。
家にいると、ついつい大人の範囲で色々制限してしまうから。
RYOすごーーーいっていっぱい褒めてあげたいな。
私も絶対に無理と思っていたよ!
子供ってすごいねぇ。
そして、子供の可能性を伸ばしてあげることって実にむずかしいなぁ。
やっぱり、自然にいる時間は子供が大きく成長するかもね。
家にいると、ついつい大人の範囲で色々制限してしまうから。
RYOすごーーーいっていっぱい褒めてあげたいな。
Posted by **~Churara~** at 2010年11月24日 06:24
すごいですね
うちの娘は・・・
うちの娘は・・・
Posted by たけぞう at 2010年11月24日 22:32
ちゅらら
子供は外で成長するね。これからは公園シーズンだ。どんどん外で遊ばせましょう!!!
子供は外で成長するね。これからは公園シーズンだ。どんどん外で遊ばせましょう!!!
Posted by ホットスカル at 2010年11月25日 08:13
本当に自転車が楽しいんでしょうね。
確かに私も子どもの頃、一日中自転車に乗っていても飽きなかったですからね。って今もですけど。元来、男の子は自転車好きなんでしょうね。
たけぞうさんの娘さんはお姫様シートが指定席ですからね。
確かに私も子どもの頃、一日中自転車に乗っていても飽きなかったですからね。って今もですけど。元来、男の子は自転車好きなんでしょうね。
たけぞうさんの娘さんはお姫様シートが指定席ですからね。
Posted by ホットスカル at 2010年11月25日 08:15
今日の十勝岳も感動ものでしたが、こちらの海と子供たちも感動者ですな!!
Posted by sid at 2010年11月25日 21:20
相変わらず泣き虫でだけど私に似ないで、大きな男になってくれる事を期待。
本人は凄い事をしたって認識が全く無い。それって成長の糧になるのかな?(笑)
本人は凄い事をしたって認識が全く無い。それって成長の糧になるのかな?(笑)
Posted by ホットスカル at 2010年11月26日 10:31
こんばんわ。
初めてコメントさせていただきます♪
伊平屋島は大好きな場所なのですが、RYOくんの大冒険記に
感動しました!!
きっと大好きなお父さんと大好きな自転車で走れる事がうれしくて
しょうがなかったんでしょうね♪
でも24Km走破は本当にすごい!伊平屋の裏海岸って民家もないし
道も荒れてて大変だと思うんですけど。
また伊平屋に行きたくなったしまいました(笑)
初めてコメントさせていただきます♪
伊平屋島は大好きな場所なのですが、RYOくんの大冒険記に
感動しました!!
きっと大好きなお父さんと大好きな自転車で走れる事がうれしくて
しょうがなかったんでしょうね♪
でも24Km走破は本当にすごい!伊平屋の裏海岸って民家もないし
道も荒れてて大変だと思うんですけど。
また伊平屋に行きたくなったしまいました(笑)
Posted by 渚のシンドバット at 2010年11月29日 00:19
渚のシンドバットさん、コメントありがとうございます!
伊平屋島、いい所ですねぇ。この長距離走破で補助輪に頼らず走る事がとても上手になりました。補助輪を外す日も近いですよ。
伊平屋島、いい所ですねぇ。この長距離走破で補助輪に頼らず走る事がとても上手になりました。補助輪を外す日も近いですよ。
Posted by ホットスカル at 2010年11月29日 08:19